この記事は AI が作成し、公開時点の一次資料に基づいています。根拠となる基準・要領は本文中にリンクしています。
工事写真台帳の作り方|公共工事の撮影箇所一覧表と写真ファイルの命名ルール
「工事写真台帳の作り方」で検索すると、撮る枚数の話が多いのですが、現場で効いてくるのは「何をどの頻度で撮るか」と「撮った写真をどの形式で並べるか」の2点です。前者は発注者の判断、後者は国土交通省が定めた基準にそのまま従う必要があります。どちらも1枚ずつの作業ルールに落とし込む必要があります。
工事写真台帳は「撮る・記録する・命名して格納する」の3段で作ります。
撮る頻度は発注者が定める撮影箇所一覧表に、記録の項目は国土交通省「デジタル写真管理情報基準」の写真管理項目に、命名と格納は同じ基準のファイル命名規則とフォルダ構成に従います。3段のどれかを飛ばすと、提出前の点検で台帳と写真の突合が取れなくなります。
撮る頻度は自分の感覚ではなく「撮影箇所一覧表」で決まります。
工事写真は撮影箇所一覧表に示す撮影頻度〔時期〕に基づき撮影するものとされています。近畿地方整備局の基準(案)では、着手前と完成は各1回、施工状況の工事進捗は月1回〔月末〕、安全管理の標識類の設置状況は各種類毎に1回です。
写真ファイルの命名は「P+7桁の英数字+拡張子」です。
参考図は「D+7桁」。ファイル名は8文字以内、拡張子は3文字以内、使用できる文字は大文字アルファベットA〜Z・数字0〜9・アンダースコアだけです。連番に欠番があっても構いません。
有効画素数は100〜300万画素程度、写真編集は認められません。
指標は黒板の文字と撮影対象が確認できること(小黒板の判読性)。トリミングや明るさ調整であっても編集は行いません。
ここでは「撮る側」と「並べる側」を分けて、それぞれ一次資料の条文に沿って説明します。
工事写真台帳の作り方は3段で決まる
- 撮る。発注者の撮影箇所一覧表にある撮影項目を、撮影頻度〔時期〕のとおりに撮ります。工事写真の大分類は「工事」固定で、区分は着手前及び完成写真・施工状況写真・安全管理写真・使用材料写真・品質管理写真・出来形管理写真・災害写真・事故写真・その他(公害、環境、補償等)に分かれます。
- 記録する。写真1枚につき1行で、写真管理項目を記入します。電子媒体で提出する場合は写真管理ファイル(PHOTO.XML)に、この項目をXMLとして書きます。
- 命名して格納する。P+7桁のファイル名を付け、PHOTOフォルダの直下にPIC(写真用)とDRA(参考図用)のサブフォルダを置き、階層分けをせずに格納します。写真管理ファイルとDTD、XSLもこのフォルダに置きます。
この3段のうち、1段目の頻度と3段目の命名はいずれもデジタル写真管理情報基準(令和5年3月・国土交通省)に、2段目の撮影方法(小黒板の記載事項)は近畿地方整備局 土木工事写真管理基準(案)に、1段目の撮影項目と頻度は同基準の附属書「撮影箇所一覧表(全体)」に定められています。運用を毎月回す手順は工事写真台帳を毎月どう回すかに分けて解説しています。
撮影箇所一覧表の書き方(区分・撮影項目・撮影頻度〔時期〕・摘要)
撮影箇所一覧表は、発注者が工事ごとに作成する「何を・いつ・どの頻度で撮るか」の一覧です。近畿地方整備局の土木工事写真管理基準(案)(令和8年4月改定)の附属書では、列が区分/撮影項目/撮影頻度〔時期〕/摘要と定められ、全体表の主な行は次のとおりです(同じ文脈で引用している施工体制台帳を毎月どう回すかの書類管理と一緒に使う現場が多いことを想定しています)。
| 区分 | 撮影項目 | 撮影頻度〔時期〕 |
|---|---|---|
| 着手前・完成 | 着手前:全景又は代表部分写真 | 着手前1回 |
| 着手前・完成 | 完成:全景又は代表部分写真 | 施工完了後1回 |
| 施工状況 | 工事施工中:全景又は代表部分の工事進捗状況 | 月1回〔月末〕 |
| 施工状況 | 施工中の写真 | 適宜(工種、種別毎に設計図書、施工計画書に従い施工していることが確認できるように)〔施工中〕 |
| 施工状況 | 仮設(指定仮設):使用材料、仮設状況、形状寸法 | 1施工箇所に1回〔施工前後〕 |
| 施工状況 | 図面との不一致:図面と現地との不一致の写真 | 必要に応じて〔発生時〕(工事打合簿に添付) |
| 安全管理 | 安全管理:各種標識類の設置状況 | 各種類毎に1回 |
一覧表の運用には同基準が4点の留意を明示しています。①撮影項目・撮影頻度などが工事内容に合致しない場合は監督職員の指示により追加・削減する。②不可視となる出来形部分は、出来形寸法(上墨寸法含む)が確認できるように特に注意して撮影する。③撮影箇所がわかりにくい場合は、写真と同時に見取り図(撮影位置図、平面図、凡例図、構造図など)を参考図として作成する。④一覧表に記載のない工種については、監督職員と協議のうえ取り扱いを定める。②③と「参考図=D+7桁」の命名規則はたいせつにつながっているため、命名規則の節でも触れます。
写真ファイルの命名規則(P+7桁/D+7桁・使える文字は3種類)
ファイル形式と格納は地域によらず、国土交通省「デジタル写真管理情報基準」(令和5年3月)に基づきます。命名規則は次のとおりです。
- 写真ファイルは「P」+7桁の英数字+拡張子(例:P0000001.JPEG)。P は固定で、7桁は写真フォルダ内で重複しない任意の英数字です。
- 参考図ファイルは「D」+7桁の英数字+拡張子。拡張子は参考図作成ソフト固有のものです。
- ファイル名と拡張子は半角英数大文字。ファイル名は8文字以内、拡張子は3文字以内とします(写真ファイルと参考図ファイルの拡張子は4文字でもよい)。
- 使用できる文字は大文字アルファベット「A〜Z」、数字「0〜9」、アンダースコア「_」の3種類だけです。小文字やハイフン、空白は使えません。
- 通し番号は工事の経緯がわかるように日付昇順に付番することが基本ですが、欠番があっても構いません。
- 写真管理ファイルはPHOTO.XML、DTDはPHOTO05.DTD、スタイルシートはPHOTO05.XSLという名前です(05 は版番号)。
フォルダ構成はPHOTOフォルダの直下に写真管理ファイルと「PIC」「DRA」のサブフォルダを置く形です。フォルダ名称は半角英大文字とし、PIC・DRA の直下に直接対象ファイルを保存して階層分けは行いません。参考図が無い場合はDRAサブフォルダを作らなくてもよい、とされています(同基準 2 フォルダ構成・5 ファイル命名規則)。
写真管理項目の書き方(1行=1枚)
台帳の面は、電子媒体で提出する場合は写真管理ファイル(PHOTO.XML)に書く項目が基準で決まっています。1行が1枚の写真に対応し、主要な項目と記入内容は次のとおりです(同基準 表3-1 写真管理項目)。
| 項目 | 記入内容 | 文字数・形式 |
|---|---|---|
| 写真フォルダ名 | PHOTO/PIC で固定 | 9固定・半角英大文字 |
| 適用要領基準 | 電子成果品で適用した要領・基準の版(例「土木202303-01」) | 30・全角文字半角英数字 |
| シリアル番号 | 写真通し番号。123枚目を「000123」のように0を付けて記入してはいけない | 7・半角数字 |
| 写真ファイル名 | 拡張子を含めたファイル名 | 13・半角英数大文字 |
| 写真ファイル日本語名 | 写真ファイルに関する日本語名 | 127 |
| メディア番号 | 保存されている電子媒体番号。単一の電子媒体なら全て「1」 | 8・半角数字 |
| 写真-大分類 | 工事・測量・調査・地質・広報・設計・その他から選択。工事写真は常に「工事」 | 8 |
| 写真区分 | 着手前及び完成写真・施工状況写真・安全管理写真・使用材料写真・品質管理写真・出来形管理写真・災害写真・事故写真・その他 | 127 |
| 工種/種別/細別 | 新土木工事積算体系のレベル2(工種)・レベル3(種別)・レベル4(細別) | 各127 |
| 写真タイトル | 撮影項目・撮影時期に相当する内容 | 127 |
指定の様式が発注者にあればそちらを優先し、無い場合はこの列構成に合わせて作成します。上の「写真ファイル名」「写真区分」「写真タイトル」は1枚ごとに記入するので、台帳の行数と写真の枚数が一致することが提出前の最低条件になります。この列構成を埋めた後の運用手順は運用編の記事に委ね、ここでは規則のみを扱います。
小黒板に書く6項目(撮影方法)
写真撮影にあたっては、次の項目のうち必要なものを記載した小黒板を、文字が判読できるよう被写体とともに写し込むものとされています(近畿地方整備局 写真管理基準(案)2-2 撮影方法)。
- 工事名
- 工種等
- 測点(位置)
- 設計寸法
- 実測寸法
- 略図
小黒板の判読が困難になる場合は、「デジタル写真管理情報基準」に規定する写真情報(写真管理項目-施工管理値)に必要事項を記入して整理します。つまり小黒板の代替は写真情報(写真管理項目-施工管理値)で可能ですが、文字が読めない写真そのものは有効画素数の指標を満たしません(指標は黒板の文字と撮影対象が確認できること)。
実際に落ちやすい4箇所
- 頻度を自分で決める。頻度は一覧表の撮影頻度〔時期〕で決まります。工事内容に合わない場合は監督職員の指示で追加・削減する手順を踏みます。
- ファイル名を自由に付ける。独自フォーマットや小文字・ハイフンを使うと基準に合いません。P+7桁の半角英数大文字に固定します。
- 編集してしまう。写真の信憑性から編集は認められていません。トリミングや明るさ調整も対象です。
- 台帳の行数と写真が合わない。写真ファイル名とシリアル番号の整合が取れていないと、提出前に1枚ずつ照合する作業に戻ります。
まとめ
工事写真台帳は、一覧表どおりの頻度で撮り、P+7桁で命名し、写真管理項目を1行ずつ埋めるの3点が要になります。
参照した一次資料
- デジタル写真管理情報基準(令和5年3月) — 国土交通省(フォルダ構成・写真管理項目・ファイル命名規則・写真編集・有効画素数)
- 土木工事写真管理基準(案)(令和8年4月改定) — 国土交通省近畿地方整備局(撮影箇所一覧表(全体)・撮影方法・留意事項)