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この記事は AI が作成し、公開時点の一次資料に基づいています。根拠となる条文は本文中にリンクしています。

工事経歴書を毎年どう回すか|決算変更届・経審の年次運用手順

工事経歴書の「書き方」の解説は多くあります。しかし社長が年度末に困るのは、欄の書き方ではありません。いつまでにどの書類と一緒に出すのか、年度末になって工事の記録が手元に揃わないことです。この記事では、工事経歴書が出てくる3つの場面と期限を条文で押さえたうえで、年度末に慌てないための毎月の積み上げ手順を整理します。

工事経歴書はいつ提出するのですか。
建設業許可申請時、毎事業年度経過後4か月以内の決算変更届、経営事項審査の3つの場面で提出します。年次の決算変更届で毎年提出していれば経審の際の工事経歴書は省略できます。

工事経歴書に何を書くのですか。
契約日・発注者名(元請と下請を区別)、工事名・工事の種類、請負金額(税込か税抜を統一)、着工日・完成日を記載します。請負金額の大きい順に7割以上をカバーするように選ぶルールがあります。

許可更新のときも工事経歴書は必要ですか。
建設業法第6条第2項により、許可の更新時は工事経歴書の添付は不要です。更新のたびに経歴書を作り込む工数は条文上不要なので、そこに時間をかけないようにします。

工事経歴書の作成を楽にする方法はありますか。
毎月15分で契約日・発注者名・工事名・請負金額・着工日・完成日を元請と下請に分けて積み上げておくことです。年度末に一気に集めると書類を探し直す手間が発生しますが、月次の積み上げがあれば年度末は選んで整えるだけになります。

工事経歴書が出てくる3つの場面と期限

工事経歴書は、建設業許可の申請・年次の届出・経営事項審査(経審)の3つの場面で出てきます。期限の根拠がそれぞれ別なので、混ぜて覚えると年度末に迷います。

場面1:建設業許可の申請時(更新時は省略できる)

許可申請書には、国土交通省令の定めるところにより工事経歴書を添付しなければならないとされています(建設業法第6条第1項第1号)。様式は施行規則の別記様式第二号で、譲渡・合併・分割の際にも同じ様式の工事経歴書の提出が求められます(建設業法施行規則)。

一方で許可の更新のときは、工事経歴書(ほか2種類)の添付は不要です。第6条第2項が「許可の更新を受けようとする者は、前項の規定にかかわらず、同項第一号から第三号までに掲げる書類を添付することを要しない」と定めています。更新のたびに経歴書を作り込む作業は、条文上は不要です。

場面2:毎年・いわゆる決算変更届(事業年度経過後4月以内)

許可業者は毎事業年度経過後4月以内に、毎事業年度終了の時における工事経歴書など所定の書類を国土交通大臣又は都道府県知事に提出しなければなりません。条文は次のとおりです(建設業法第11条第2項)。

「許可に係る建設業者は、毎事業年度終了の時における第六条第一項第一号及び第二号に掲げる書類その他国土交通省令で定める書類を、毎事業年度経過後四月以内に、国土交通大臣又は都道府県知事に提出しなければならない。」

この年次の提出に財務諸表等が一緒になる点は、国交省中国地方整備局の案内にも「毎営業年度終了後4月以内に、財務諸表等とあわせて提出することとされています」とあります(工事経歴書について|国土交通省中国地方整備局)。実務で「決算変更届」と呼ばれる年次の届出がこの規定です。3月決算なら、翌4月から7月末までが提出期間の目安になります。期限の数え方や添付書類の内訳、出さなかった場合の罰則を整理した決算変更届の提出期限の記事もあります。

場面3:経営事項審査(経審)と、その受審時期

公共性のある施設・工作物に関する建設工事で政令が定めるものを発注者から直接請け負おうとする建設業者は、経営事項審査を受けなければならないとされています(建設業法第27条の23第1項)。政令の定義では、国・地方公共団体・公共法人等が発注者で、工事一件の請負代金が500万円(建築一式工事は1,500万円)以上の建設工事が中心で、応急工事などは対象外です(建設業法施行令第45条)。

受審の時期は施行規則が定めています。「同項の建設工事について発注者と請負契約を締結する日の一年七月前の日の直後の事業年度終了の日以降に経営事項審査を受けていなければならない」(建設業法施行規則第18条の2第1項)。経営規模等評価の申請時期と方法は大臣等が公示することとされています(施行規則第19条の6)。

工事経歴書は、経営事項審査に係る経営規模等評価を申請する際の添付書類でもあり、毎営業年度終了後に提出する工事経歴書を作成・提出していれば、経営規模等評価申請の際の工事経歴書の提出は省略できると、国交省中国地方整備局の案内にあります(同ページ)。つまり年次の決算変更届で毎年ちゃんと出していれば、経審のときの書類は流用で済むことになります。経審の経歴書の記入欄と記載順のルール(元請7割から全体7割へ)は、工事経歴書の書き方|経審の記入ルールと記入項目の一覧表の記事に整理しています。

例として、2027年4月1日に公共工事の請負契約を結ぶ予定なら、その1年7月前は2025年9月1日、その直後の事業年度終了日は3月決算であれば2026年3月31日です。つまり2026年3月期の決算実績に基づく経審を受けておけば受審要件を満たす計算になります(実際の申請時期は所管の公示を確認してください)。

年度末で慌てないために、毎月積む4項目

工事経歴書に載せる材料は、契約書・請求書・納品書に散らばっています。年度末に一気に集めると、注文者名や金額を確認するために1年前の書類を探し直すことになります。毎月15分で足りるので、月次で積み上げます。

特に元請と下請を分けて積む理由は、記載の順番にルールがあるからです。国交省中国地方整備局の案内では、様式改正後の記載方法として、①まず元請工事に係る完成工事について請負金額(工事進行基準を採用している場合にあっては完成工事高)の合計額のおおむね7割を超えるところまで請負金額の大きい順に記載し、②それに続けて元請・下請すべての完成工事について請負金額の合計額のおおむね7割を超えるところまで大きい順に記載する、とされています(同ページ)。また500万円(建築一式工事は1,500万円)未満の建設工事は10件を超えて記載する必要がなく、記載した請負金額の合計が1,000億円を超える場合はその超える部分は記載不要とされています。年度末に元請と下請が混ざった表から選び直すと、この並び替え作業そのものが日割りではなくなります。詳細な記載要領は所管の窓口で確認してください。

実際に落ちる4箇所

  1. 元請と下請をごちゃ混ぜで積む。7割ルールで元請から選ぶので、年度末の並び替えがやり直しになる。
  2. 税込・税抜が混在する。完成工事高との突合で不一致になり、金額を開き直す工数が年度末にまとめて発生する。
  3. 契約日・完成日の記録が手元にない。下請契約書は現場・事務所・クラウドに散らばり、「この工事、いつ締結したか」を思い出すだけで止まる。
  4. 更新の年に経歴書を作り込む。許可の更新のときは第6条第2項で添付が不要なので、作り込むのは無駄な工数です。

手で回す手順、そこからAI社員へ

手作業で成立させるには3つの枠で足ります。月次の工事実績シート(上の4項目を1行ずつ、元請と下請で分けて積む)、四半期ごとの突合(金額の税込・税抜と完成工事高の一致確認)、年度末の選定作業(7割ルールに沿って記載対象を選び、業種別の様式に落とす)です。月次の積み上げがあったときは、年度末の作業は「選んで整える」だけになります。

この積み上げは、現場と請求書を見る事務一人の肩に乗り、人が辞めたら止まります。仕事を分解すると、大半は抽出・分類・突合の下準備です。契約書や請求書からの行の下書き、元請・下請の仕分け、金額の税込・税抜フラグ付け、完成日の記載漏れチェック、決算変更届の提出前チェックリスト、経審の受審時期を契約予定日から逆算する計算——ここはAI社員に任せられます。一方で、記載内容の最終確認、未成工事・完成工事の判定、所管への問い合わせは人の仕事です。弊社のAI社員(サイバー社員)はSlackやLINE上でこの積み上げを担い、年度末には選定済みの下書きを人に渡します。

まとめ

工事経歴書は「年度末に作る書類」ではなく「毎月積み上げて、年次と経審で出す書類」です。期限は許可申請・毎事業年度経過後4月以内の届出・経審の受審時期の3つで決まり、年次の提出を回していれば経審の書類も流用できます。どこまでAI社員に任せられるかを整理したい方は、建設業向けAI社員のトップページから資料請求・無料診断が可能です。

工事経歴書の様式の入手先

様式(建設業法施行規則別記様式第二号)の入手先は、所管の地方整備局・都道府県の案内ページです。国土交通省関東地方整備局の様式集から建設関係の様式をダウンロードできます。記載の並び方(元請の完成工事高のおおむね7割を超えるまで請負金額の大きい順に、続けて元請・下請全体の完成工事高で7割を超えるまで記載)は、国交省「工事経歴書(第2号様式)の記載フロー」(PDF)に図で示されています。東京都で建設業許可の申請・更新をする場合は、様式も都の公式ページから入手します。東京都建設局の建設業許可関係の申請様式一覧から請負契約書等の様式をダウンロードでき、都市整備局の建設業許可の手引き(手引き第3号)には工事経歴書を含む申請・更新の手続きと記載の説明があります。東京都の許可の場合は、東京都の工事経歴書の様式の入手先の記事に都の案内ページへのリンクをまとめています。

主要な都道府県も、建設業許可の様式を公式ページで配布しています。大阪府は大阪府の建設業許可申請書類(法人用)の一覧に工事経歴書(PDF・エクセル)があり、埼玉県は埼玉県の建設業許可申請の手引き・様式集、神奈川県は神奈川県の許可申請書等ダウンロード、千葉県は千葉県の建設業許可に係る様式について、愛知県は愛知県の建設業許可申請手引・様式ダウンロード、福岡県は福岡県の建設業許可の手引き・申請書類、兵庫県は兵庫県の建設業許可申請書等のダウンロード、北海道は北海道の建設業法等様式ダウンロード、静岡県は静岡県の建設業許可申請書類等、広島県は広島県の許可申請書様式(令和7年1月以降申請用)から入手できます(各面への到達は 2026-10-01 に確認)。

参照した一次資料