この記事は AI が作成し、公開時点の一次資料に基づいています。

建設業の労務費を毎月どう回すか

結論: 建設業で「労務費」と呼ばれる数字は 3 つあり、公共工事設計労務単価(積算・見積り用)、労務費率(労働保険料の概算用)、労災保険率(労災保険料の計算用)を混同しないことが毎月の運用の起点です。令和 8 年 3 月適用分の公共工事設計労務単価は加重平均 25,834 円で 14 年連続の上昇で、単価には法定福利費等の必要経費が含まれず、これを理由に下請代金を値引くことは適正な取引とはいえないとしています(国土交通省「公共工事設計労務単価」令和 8 年 3 月適用分の発表資料)。

/Agentic株式会社

建設業の「労務費」にはいくつの種類がありますか。
建設業の実務で「労務費」という言葉は少なくとも3つの異なる数字を指します。公共工事設計労務単価(積算・見積り用)、労務費率(労働保険料の概算用)、労災保険率(労災保険料の計算用)です。この3つを混同すると、積算ミスと保険料の誤申告という原因の異なる2種類のミスが同時に発生します。

令和8年度の公共工事設計労務単価はいくらですか。
令和8年3月適用分の公共工事設計労務単価は全国全職種の加重平均で25,834円で、14年連続の上昇です。25,000円を超えるのは今回が初めてです。この単価には法定福利費等の必要経費は含まれておらず、これを理由に下請代金を値引くことは適正な取引とはいえないと国土交通省はしています。

労務費に関して毎月何を確認すべきですか。
見積り作成時は最新の公共工事設計労務単価を職種別に確認します。契約・発注時は法定福利費等の必要経費を削っていないかを確認します。労働保険の年度更新時は賃金総額を実額で把握できるか検討し、困難な場合のみ労務費率を使用します。また月次で工事別の想定労務費と実際の支払額を突き合わせます。

2024年の担い手3法改正で労務費に関して何が変わりましたか。
国土交通省の中央建設業審議会が「労務費に関する基準」を作成し、著しく低い労務費による見積り・契約を禁止する制度が新設されました。違反した建設業者には指導・勧告、違反した発注者には勧告・公表という対応が定められています。

「労務費」と名の付く3つの数字を区別する

建設業の経理・積算の現場では「労務費」という言葉が、少なくとも3つの異なる数字を指して使われています。第一に、見積り・積算の場面で使う「公共工事設計労務単価」(職種ごとの1人1日あたりの単価)。第二に、労働保険料の算定で賃金総額を正確に把握できない場合に請負金額から概算する「労務費率」(請負金額に乗ずる率)。第三に、労災保険料の計算に使う「労災保険率」(賃金総額に乗ずる率)です。この3つを混同すると、積算では単価が古いまま見積りを出してしまい、保険料の申告では誤った率を使ってしまうという、原因の異なる2種類のミスが同時に起こります。毎月の運用では、どの数字をどの場面で使うのかを最初に切り分けておく必要があります。

毎月どのタイミングで何を確認するか

  1. 見積り作成時:最新の公共工事設計労務単価(都道府県・職種別)を国土交通省の公表値で確認し、古い単価のまま見積りを出していないかをチェックする
  2. 契約・発注時:見積りに反映した労務費相当額を、下請への発注段階で不当に値引きしていないかを確認する(法定福利費や安全対策費等の必要経費分は単価に含まれないため、これらを削って下請代金を決めることは適正な取引とはいえない)
  3. 労働保険の年度更新・概算保険料申告時:賃金総額を正確に把握できる場合はそれを使い、把握困難な場合に限り、事業の種類に対応した労務費率を請負金額に乗じて賃金総額を算定する
  4. 同申告時:事業の種類の区分(建築事業・道路新設事業・その他の建設事業等)が実際の工事内容と一致しているかを確認し、労災保険率を適用する
  5. 月次で、工事別に「見積り時の想定労務費」と「実際の出面・支払額」を突き合わせ、乖離が大きい工事を洗い出す

どこで落ちるか

  • 前年度の公共工事設計労務単価をそのまま使い続け、引き上げ分を見積りに反映していない
  • 単価に含まれない法定福利費・安全対策費等の必要経費分を、下請への発注金額から値引きしてしまっている
  • 労務費率を使うべき場面(賃金総額の把握が困難な場合)以外で、実態の賃金総額を確認せずに労務費率だけで済ませてしまっている
  • 事業の種類の区分を実際の工事内容と照合せずに、以前と同じ区分・料率をそのまま使い続けている

基準となる数字(一次資料)

公共工事設計労務単価は、令和8年3月から適用される単価で、全国全職種の単純平均が前年度比4.5%引き上げられ、全国全職種の加重平均値は25,834円となりました。25,000円を超えるのは今回が初めてで、14年連続の上昇です。国土交通省は、単価には法定福利費等の必要経費相当額は含まれておらず、これを理由に下請代金を値引くことは適正な取引とはいえない、としています(国土交通省「公共工事設計労務単価」令和8年3月適用分の発表資料)。

労務費率・労災保険率については、令和8年度は令和7年度と同率です。厚生労働省の公表資料によれば、例えば建築事業(既設建築物設備工事業を除く)の労務費率は23%・労災保険率は9.5/1,000、道路新設事業の労務費率は19%・労災保険率は11/1,000、舗装工事業の労務費率は17%・労災保険率は9/1,000、その他の建設事業の労務費率は23%・労災保険率は15/1,000です(厚生労働省「令和8年度の労災保険率等について」)。

2024年の担い手3法改正との関係(追加論点)

労務費の適正化は、2024年の第三次・担い手3法改正で新設された「労務費に関する基準」制度とも関わります。国土交通省の中央建設業審議会が、著しく低い労務費による見積り・見積り依頼・契約締結を禁止する基準を作成・勧告しており、違反した建設業者には指導・勧告、違反した発注者には勧告・公表という行政上の対応が定められています(国土交通省「労務費に関する基準」制度概要)。単価・料率の数字を追うだけでなく、見積り・契約段階で基準を下回る労務費になっていないかという運用面の確認も、毎月の業務に組み込む必要があります。

人がやる場合の手順

  1. 見積り作成のたびに、最新の公共工事設計労務単価を都道府県・職種別に確認する
  2. 下請への発注金額を決める際、法定福利費等の必要経費分を削っていないかを個別に確認する
  3. 労働保険の年度更新時に、賃金総額を実額で把握できるかをまず検討し、困難な場合のみ労務費率を使う
  4. 事業の種類区分を、実際の工事内容と照合してから労災保険率を適用する
  5. 工事別の想定労務費と実績を月次で突き合わせ、乖離の大きい工事を一覧化する

AI社員に任せられる部分

公表されている単価・料率の最新値を毎回取得して見積り・申告に反映する作業、工事別の想定労務費と実績出面の突き合わせ、事業の種類区分と工事内容の照合による不一致の洗い出しは、いずれも公表データと自社記録の突合であり、AI社員に任せられる範囲です。一方で、下請への発注金額が「著しく低い労務費」に該当するかどうかの評価や、契約条件の見直し交渉そのものは、取引先との関係を踏まえた人の判断が必要な領域として残ります。AIは最新の基準値の取得と自社データとの突合までを担い、基準を下回っているかどうかの最終評価と交渉は人が行う、という切り分けが実務的です。

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